※プライバシー保護のため、治療にかかった期間は同じですが、実際の年月と異なります。
2020年5月中旬に発症した「両眼閉塞性網膜血管炎」の1症例です。
30代男性で発症直後、病院にてステロイド治療を受け、その約2か月半後の
8月初旬に来院。
おもな症状は「視力低下」と「羞明(通常の光でもまぶしい)」。
当時の視力は矯正視力(眼鏡)で左目0,2 右目0,15。
右目のほうが重症とのこと。
「閉塞性網膜血管炎」とは網膜動脈閉塞症と網膜静脈閉塞症の
総称とのことだが、この症例は患者さんが中心が見えずらいとのことで
「網膜中心動脈閉塞症」かと思われる。
鍼灸治療は初めの3か月間は週2回ペースで行った。
・治療開始1か月後の大学病院での診察
視力、視野とも不変。
・治療開始2か月後の大学病院での診察
左目の視力が0,2→0,4に上がる。
右目視力と羞明は不変。
・治療開始3か月後の大学病院での診察
前回とかわらず。
鍼灸治療はこの頃から週2回→週1回ペースとする。
・治療開始5か月後の当院での治療時、
「まぶしさ(羞明)は減った」とのこと。
・治療開始6か月後、患者さんの事情により
約1か月半、鍼灸治療を中断。
・治療開始7か月半後、鍼灸治療を週1回ペースで再開。
・治療開始9か月後、大学病院での診察
左目視力0,2→0,4→0,8まで出る。
右目は不変。
・治療開始10か月後、大学病院での診察
左目視力0,2→0,4→0,8→1.0まで出る。
右目は0,15→0,2と10か月間、ほぼ不変。
・治療開始14か月後、大学病院での診察
左目1,0と安定している。
右目0,2→0,6と1年以上経過してからでも
視力が上がって来たことに私(術者)もびっくりしている。
現在も週1回ペースでの鍼灸治療をしており
右目のさらなる回復を目指しています。
使用穴
天注、風池、玉枕、肩中兪、肝兪、腎兪、肩井、承山、四神総
太衝、三陰交、光明、合谷、攅竹、健明、球後、目点、N2
