中心性漿液性脈絡網膜症
(CSC:Central Serous Chorioretinopathy)は、
比較的若い~中年の男性に多い、網膜の中心(黄斑部)に水が溜まる病気です。
一方、脈絡膜新生血管(CNV)は、
本来ない血管が脈絡膜から生えてくる病態で、
加齢黄斑変性や近視性変化などで起こります。
似た症状もありますが、原因と治療が大きく違うため、鑑別が重要です。
① 中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)の概要
黄斑部の下に液体(漿液)が溜まり、網膜が浮く病気です。
主な原因
はっきりした原因は完全には解明されていませんが、以下が関与すると言われています。
- ストレス
- 睡眠不足
- ステロイド薬(内服・外用・吸入)
- 交感神経の過剰
- 男性ホルモン
30〜50代男性に多いのが特徴です。
② CSCの主な症状
代表的な症状は以下です。
視覚症状
- 視界の中心がぼやける
- 物が小さく見える(小視症)
- 直線が曲がって見える(変視症)
- 色が薄く見える
- 中心が暗い
ただし
痛みはありません。
多くは片眼性です。
③ CSCの経過
CSCは特徴的に
自然治癒することが多い
です。
一般的な経過
- 1〜3ヶ月で自然吸収
- 視力も回復することが多い
しかし
- 再発しやすい
- 慢性化する例もある
④ 脈絡膜新生血管(CNV)とは
脈絡膜から異常な血管が網膜側へ伸びる病態です。
この血管は
- 非常にもろい
- 漏れやすい
- 出血しやすい
そのため
視力低下が急速に進むことがあります。
代表的な原因
- 加齢黄斑変性
- 近視性黄斑症
- 炎症
- 外傷
⑤ CSCと脈絡膜新生血管の違い(重要)
臨床ではこの鑑別が非常に重要です。
| 項目 | CSC | 脈絡膜新生血管 |
|---|---|---|
| 原因 | 脈絡膜の血管透過性亢進 | 異常血管の発生 |
| 年齢 | 30〜50代男性多い | 高齢者多い |
| 出血 | ほぼなし | よく起こる |
| 自然治癒 | 多い | ほぼない |
| 進行 | 比較的ゆっくり | 進行しやすい |
| 治療 | 経過観察が多い | 抗VEGF治療 |
⑥ 検査での違い
眼科では以下で鑑別します。
OCT
網膜断層画像
CSC
- 網膜下液
- PED(色素上皮剥離)
CNV
- 網膜下液
- 出血
- 繊維血管PED
蛍光眼底造影(FA)
CSCの特徴
- インクブロット型
- 煙突型(smoke stack)
OCTA
近年重要な検査
CNV
- 新生血管が見える
CSC
- 血管は見えない
⑦ CSCの治療
多くは経過観察ですが、慢性例では治療します。
主な治療
- 生活改善(ストレス・睡眠)
- ステロイド中止
- レーザー光凝固
- PDT(光線力学療法)
以下が上記の内容を図解した説明文です。

